剣道用語集

剣道で使う用語を集めてみました。

先生方が稽古のときや講話で使うことがある言葉ですので、ひと通り目を通しておいてください。

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[つ]継ぎ足

つぎ-あし

遠い間合いから打突するときに用いる足さばきです。左足を右足まで引き付け、その勢いを利用して素速く攻めていきます。

左足を引き付けることよって、実質的な間合いを詰めることができます。

[つ]鍔

つば

竹刀の柄と刀身との間に挟んで、柄を握る手を防護する部位、もしくは部具を指します。

鍔はプラスチック製、革製があります。特にプラスチック製のものは、さまざまな色のものがありますが、試合では認められない場合があります。

中学生以上の場合、試合規定で鍔にも規定があり、円形で、直径は9cm以下となっています。

[つ]鍔ぜりあい

つば-ぜり-あい

打ち合わせた竹刀を鍔部分で受け止め、押し合う状態を言います。

引き技はこの状態から体を引いて打ちます。膠着(こうちゃく)状態が長く続くと、主審から「別れ」という号令で分けられることがあります。また、無意味に鍔ぜりあいの状態に体を付け、打突意思のないと判断されたときは反則がとられます。

[つ]鍔止め

つば-どめ

鍔が外れないようにするためのゴム製のリングのことです。これを付けていないと、鍔がすぐに外れてしまいますので、必需品です。試合のときには鍔止めをつけていない竹刀は使えません。

また、竹刀の太さに合わせた適切な径のものを選んでください。最近は緩みがない鍔止めも販売されています。

[て]出ばな技

で-ばな-わざ

相手の動作の起こりを端をとらえて打ち込む技です。相手を攻めて誘って、相手の打突を引き出し、その技の起こり際をとらえて素速く打ち込みます。

出ばな技には、「出ばな面」、「出ばな小手」などがあります。

[と]胴(打突)

どう

有効打突部のひとつで、相手の脇腹の部分を刃筋正しく打突した場合に一本になります。面を打つのと同様に上に竹刀を振り上げ、その後自分から見て左斜め45度くらいの方向から相手の右胴へめがけて斜め下へ振り下ろします。実際の日本刀での刃筋と同じように、手が返った打ち方をする必要があります。

抜き胴の場合に腹部の正面をなでるような打ち方をする人がいますが、これでは元打ちになってしまい、有効打突にはなりません。

通常は相手の右胴を打ちますが、これは本来左胴には脇差し(わきざし)や太刀の鞘(さや)があり、斬ろうにも斬れないためとされています。この名残もあり、左胴(逆胴)はしっかりとした打ち方ができないと、有効打突にはなりません。特に小学生の場合には、逆胴はほとんどの場合、有効打突とはなりません。

[と]胴(防具)

どう

胴体部分を保護するための防具です。有効打突である「胴」を受ける部分でもあります。

普及品では樹脂胴が主体ですが、高級品になると、竹胴になります。竹胴は衝撃吸収に優れています。

[と]遠間

とお-ま

「一足一刀の間合い」よりも遠い間合いのことを指します。お互いの剣先が触れる程度の間合いで、自分にとっても相手にとっても遠い状態です。

稽古の中では、踏み込みを大きくするため、遠間から打つ練習をすることがあります。これにより、「我より近く、彼より遠い」間合いを修得していきます。

[な]中墨

なか-ずみ

元は大工用語で、墨壺(すみつぼ)を使って、両端に張った墨の糸をはじいて作る中央の直線のことです。

剣道では相手の中心を意味します。

自分の剣先を相手の中心から外さないようにすることを「中墨を取る」と言います。

[な]中結

なか-ゆい

竹刀の先端から竹刀の長さの1/4のところに、竹を束ねるように締めつけている革製の紐のことです。

以前は竹刀の柄革で覆われていない部分を3等分し、その最も剣先側のところが中結の位置の目安でしたが、現在は剣先側から竹刀の全長の1/4の位置とされています。動かないようにしっかり締めて固定しておきます。

中結がゆるいと、打突時の竹刀のしなりで、割竹が先革から外れやすくなり、これが面金の間から顔や目を突くといった重大事故に結びつく可能性があります。従い、しっかりと緩みがないように結ぶようにしてください。

[な]名札

な-ふだ

中央の大垂にはめた、所属団体や名前を書いた布製の袋状のものを指します。俗名で「垂ネーム」、「ゼッケン」とも呼ばれますが、全日本剣道連盟の試合審判規則・細則においては「名札」と定義されています。

名札の様式は「紺または黒の地に白文字」と定められており、所属団体名(学校、企業、剣友会などの名称)を最上部に横書きにし、姓(同一団体内に同姓がいる場合は、名の頭文字を右下に添える)をその下に縦書きで記すことになっています。

書体に規定はありませんが、全日本剣道連盟は「明確に読み取れる名札」を推奨しており、楷書を用いるのが好ましいと言えます。

[に]二刀流

に-とう-りゅう

2本の剣を左右の手に1本ずつ持って戦う剣法です。

宮本武蔵の二天一流など、古くから伝わる剣法ですが、第二次世界大戦後、剣道が禁止され、再開されてからも二刀流の試合は永らく認められていませんでした。

平成3年に学生剣道連盟が二刀の使用を解禁し、大学生以上の試合でも二刀流が認められるようになりましたが、それまでに二刀流の使い手が減り、現在二刀流を見ることが珍しくなっています。

[に]二天一流

に-てん-いちりゅう

流祖・新免武蔵藤原玄信(宮本武蔵) が、晩年に熊本で完成させた兵法です。その理念は著書『五輪書』に著されています。

二刀を専門とした初めての流儀として有名です。

[に]日本剣道形

にほん-けん-どう-がた

剣道における形稽古です。単に剣道形(けんどうかた)、形(かた)とも呼ばれます。太刀の形7本と、小太刀の形3本から成ります。

戦前の武道振興団体である大日本武徳会が、大正元年(1912年)に中等学校の剣道教育用に最も基本的な動作を選んで制定した形が原型になっています。

剣道における礼法、目付、構え、姿勢、呼吸、太刀筋、間合、気位、足さばき、残心等の要素が入っており、それらの修得のために稽古します。剣道の段審査では、日本剣道形(初段から三段は太刀の形のみ、四段以上はすべて)が審査項目になっています。

[ぬ]抜き技

ぬき-わざ

相手の攻撃を体さばきでかわしつつ打つ技のことです。たとえば「抜き胴」とは、正しくは「面抜き胴」と言い、相手の面打ちを体さばきでかわし、胴を打つことを言います。抜き技には「面抜き面」、「面抜き胴」、「小手抜き面」、「小手抜き小手」、「面抜き小手」があります。

大きくかわしすぎると技がうまく出せないため、最小限の動きでかわし、相手の技を抜くことがポイントです。

[は]八相の構え

はっそう-の-かまえ

竹刀を立てて右手側に寄せ、左足を前に出した構えです。陰の構えとも言います。

刀を持つ上で、余計な力をなるべく消耗しない様に工夫された構えで、上段から変化したとも言われています。構え方は、左諸手上段の構えを取るときと同じように左足を前に出しながら竹刀を振り上げ、その後、竹刀をやや立てた状態で鍔(つば)が右の口元の位置になるように下げて構えます。柄頭(つかがしら)は体の中心線にあるようにし、刃はわずかに右前方に向くようにします。左右の肘は自然に力を抜き、身体は左自然体となります。

基本的に左右に散らばる敵に対するときの構えとされ、構えるのに十分なスペースがないときにも有効ですが、1対1での試合のときにはその有効性がなく、実際の稽古や試合では使われることのない構えです。日本剣道形では、4本目に登場します。

[は]刃筋

は-すじ

日本刀において、刃の付いている刃先側と峰とを結んだ方向のことを指し、この方向に振ることで日本刀は斬ることができます。

竹刀や刀を振る方向と刃筋が一致することを「刃筋が通る」と言い、剣道試合・審判規則などにおいて「刃筋正しく」とは、「竹刀の打突方向と刃部の向きが同一方向である場合とする」と定められています。

[は]払い技

はらい-わざ

相手の身構えが十分できていて打ち込む隙(すき)がないとき、相手の竹刀を左または右に払い、相手の構えを崩し、その竹刀が元の位置に戻ってくる前に面や小手を打ち込む技です。

表鎬(おもてしのぎ)側から相手の竹刀を払い面を打つ「払い面」や、裏鎬(うらしのぎ)で払って小手を打つ「払い小手」などがあります。

[は]範士

はん-し

段位とは別に、指導力や識見、人格などを備えた、剣道人としての完成度を示すものとして、八段受有者に授与される称号です。

受審資格は「教士八段受有者で、八段受有後、8年以上経過し、加盟団体の選考を経て、加盟団体会長より推薦された者、ならびに全剣連会長が適格と認めた者」と規定されています。

[は]袴

はかま

剣道の稽古着のひとつです。生地はテトロン、綿などがありますが、上級者になるまでは、色落ちなく丸洗いができる、テトロン製が良いでしょう。

袴は腰骨のやや上のところで結んでいきます。すその側はくるぶしあたりまでくるような長さが適切です。

お母様方が袴を子供に着させると、往々にして胸の近くで紐を結び、すそが20cmくらい上がった状態で着ていることがありますが、これは女性の卒業式用袴の着方であり、まったくの間違いですので、そのような着装はしないようにしてください。また、袴の着装の順番がでたらめで、稽古の最中に取れてしまう子も見受けられます。わからない方は、先生にきちんと指導してもらってください。

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