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[は]八相の構え

はっそう-の-かまえ

竹刀を立てて右手側に寄せ、左足を前に出した構えです。陰の構えとも言います。

刀を持つ上で、余計な力をなるべく消耗しない様に工夫された構えで、上段から変化したとも言われています。構え方は、左諸手上段の構えを取るときと同じように左足を前に出しながら竹刀を振り上げ、その後、竹刀をやや立てた状態で鍔(つば)が右の口元の位置になるように下げて構えます。柄頭(つかがしら)は体の中心線にあるようにし、刃はわずかに右前方に向くようにします。左右の肘は自然に力を抜き、身体は左自然体となります。

基本的に左右に散らばる敵に対するときの構えとされ、構えるのに十分なスペースがないときにも有効ですが、1対1での試合のときにはその有効性がなく、実際の稽古や試合では使われることのない構えです。日本剣道形では、4本目に登場します。

[は]刃筋

は-すじ

日本刀において、刃の付いている刃先側と峰とを結んだ方向のことを指し、この方向に振ることで日本刀は斬ることができます。

竹刀や刀を振る方向と刃筋が一致することを「刃筋が通る」と言い、剣道試合・審判規則などにおいて「刃筋正しく」とは、「竹刀の打突方向と刃部の向きが同一方向である場合とする」と定められています。

[は]払い技

はらい-わざ

相手の身構えが十分できていて打ち込む隙(すき)がないとき、相手の竹刀を左または右に払い、相手の構えを崩し、その竹刀が元の位置に戻ってくる前に面や小手を打ち込む技です。

表鎬(おもてしのぎ)側から相手の竹刀を払い面を打つ「払い面」や、裏鎬(うらしのぎ)で払って小手を打つ「払い小手」などがあります。

[は]範士

はん-し

段位とは別に、指導力や識見、人格などを備えた、剣道人としての完成度を示すものとして、八段受有者に授与される称号です。

受審資格は「教士八段受有者で、八段受有後、8年以上経過し、加盟団体の選考を経て、加盟団体会長より推薦された者、ならびに全剣連会長が適格と認めた者」と規定されています。

[は]袴

はかま

剣道の稽古着のひとつです。生地はテトロン、綿などがありますが、上級者になるまでは、色落ちなく丸洗いができる、テトロン製が良いでしょう。

袴は腰骨のやや上のところで結んでいきます。すその側はくるぶしあたりまでくるような長さが適切です。

お母様方が袴を子供に着させると、往々にして胸の近くで紐を結び、すそが20cmくらい上がった状態で着ていることがありますが、これは女性の卒業式用袴の着方であり、まったくの間違いですので、そのような着装はしないようにしてください。また、袴の着装の順番がでたらめで、稽古の最中に取れてしまう子も見受けられます。わからない方は、先生にきちんと指導してもらってください。

[ひ]平常心

びょう-じょう-しん

驚懼疑惑(きょうくぎわく)の四病を排し、常に平静の心を持ち冷徹の精神を失わぬことが一番大事なことであり、それが正しい人の道であり最高の道徳であるという教えです。

禅の古典「臨済録」や「無門関」に登場する「平常心是道(びょうじょうしんこれどう)」という言葉に由来します。なお、読みは禅宗に倣い、ここでは「びょうじょうしん」としていますが、「へいじょうしん」でも間違いではありません。同じ禅宗でも曹洞宗では「へいぜいしん」となるようです。

[ひ]平打ち

ひら-うち

竹刀の側面で打つことを指します。
相手を竹刀の側面で打っても刃筋が通っていないので、有効打突にはなりません。

[ひ]引き技

ひき-わざ

つば競り合い、体当たり、打突後のすれ違いなどから後退して打つ技です。

引き技には「引き面」、「引き小手」、「引き胴」があります。きちんとした足の踏み込みをもって後退し、打ち込むことが重要です。

[ひ]引き立て稽古

ひき-たて-げい-こ

指導的立場で稽古をするとき、相手にわからないように上手に打たせて下位者にうまく打てたことへの喜びを味わせたり、打突の機会を修得させたりするための稽古法です。
これを繰返し行うことで、下位者の技量が上がってきます。

[ひ]膕

ひかがみ

ひざの後ろのくぼんでいる所を指します。「ひきかがみ」の音が変化したものです。

剣道では、左足のひかがみをなるべく伸ばして(あまり曲がらないように)構えるのが良いとされます。

[ひ]開き足

ひらき-あし

体を左右にかわす時に使われる足さばきです。右に動くときは右足を横に出し左足を引き寄せます。左に動くときは左足を横に出し右足を引き寄せます。常に相手の方を向くため、やや斜めに角度がつきます。

足だけではなく体全体でかわすことができるようにする必要があり、これができれば相手の攻撃をかわしたり、こちらから違う角度で攻めたりといったことができるようになります。

[ふ]不撓不屈

ふ-とう-ふ-くつ

強い意志をもって、どんな苦労や困難にもくじけないさまを言います。

「撓(とう)」は「たわむ」の意味で、重みなどに耐えかねて形が変わっていくさまを示しています。「屈」は曲がることを意味します。

「不撓」も「不屈」も、くじけないということです。

[ふ]踏み込み足

ふみ-こみ-あし

打突する際に用いられる足運びであり、左足の蹴りと右足の床面への踏み込み動作によって行います。

左足の親指付近で鋭く蹴って、右足を大きく踏み込み、左足を直ちに引き付け、体勢を崩さないように送り足で3~4歩まっすぐ前進します。右足は大きく上げることはせず、すり足で行うようにします。

[ほ]放心

ほう-しん

一般に使う「放心」とはぼうっとしている状態のことですが、剣道で使う「放心」は、相当に意味が異なります。

「心、何処にも留めず」という意味で、心を完全に解き放して、どこかにこだわったり留めたりすることなく自由にしておくことで、注意がすみずみまで行きわたり、どんな変化にも対応出来る状態のこと、しっかりと打ち込んでいける状態のことを指します。

[ほ]法界定印

ほっ-かい-じょう-いん

静坐(黙想)のときに組む手の形のことを指します。元は坐禅の際に手で組まれる印の形(仏陀の禅定印)です。武士の宗派として知られる曹洞宗では、坐禅の際に法界定印を組みますが、それが受け継がれ、剣道の静坐においても行われるようになったものと思われます。
丹田(へそのやや下あたり)に右手を置き、掌(てのひら)を上に向けます。その上に左手を掌を上にして重ね、右手で軽く包み込むようにします。手は全体的に丸みを帯びた形になります。両手の親指は手の上部で円を結ぶようにし、先端をかすかに合わせます。

[ほ]防具

ぼう-ぐ

面、小手、胴、垂の4点を一組とした、剣道の修練に必須となる、危険を防止したり打突部を保護したりするために身につける道具のことです。

剣道においては、正式名は「剣道具」と言います。

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